ジャスミンの残り香 ――「アラブの春」が変えたもの
によって 田原 牧
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内容紹介 「革命」は徒労だったのか。この出来事は日本人にとっても、決して対岸の火事ではない。三十年にわたり、アラブ世界を見続けた気鋭のジャーナリストが、中東民衆革命の意味を問う![著者情報]田原牧(たはら まき)1962年生まれ。87年中日新聞社入社。名古屋社会部、カイロ支局勤務などを経て、東京本社(東京新聞)特別報道部デスク。日本アラブ協会発行・季刊『アラブ』編集委員。著書に『イスラーム最前線』(河出書房新社)、 『ネオコンとは何か』(世界書院)、『ほっとけよ。』(ユビキタ・スタジオ)、『中東民衆革命の真実』(集英社新書)がある。 内容（「BOOK」データベースより） この出来事は日本人にとっても、決して対岸の火事ではない。三十年近くにわたり、アラブ世界を見続けた気鋭のジャーナリストが中東民衆革命の意味を問う!「革命」は徒労だったのか。2014年第12回開高健ノンフィクション賞受賞作。 商品の説明をすべて表示する
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著者自身が活動家である（であった）こともあり、革命に関する考察には賛同できないところも少なからずあるが、それでもやはり、その考察には深みがある。革命によって政権や権力者が変わっても社会が改善しないことの方が多いだろうし、革命者が不服従の姿勢をとっている限り、現政権を打倒できても世の中を変えるという意味での革命は起きえない。やはり、経済発展や所得の向上を伴わない中での不公平の是正は難しいのだろう。しかしながら、この本が出色なのは、そうした革命論の論争の展開ではなく、市井のアラブ人が革命時に何を考え、そしてこの革命をどう評価しているか、が記されていることだ。僕らから見ると徒労の感が強い革命がアラブ人にとって「無駄ではなかった」と評価している点は、少し驚きであり、考えさせられる。救われる気もするし、空しい気にもなるからだ。
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