齋藤 孝の音読破1 坊っちゃん (齋藤孝の音読破 1)

おととし、小４の娘のために、シリーズ３冊をアマゾンで購入。まずは、宮沢賢治の短編から、音読を始めました。賢治と太宰のシリーズ２冊の音読踏破をなした後に、５年生に入り、いよいよ＜坊っちゃん＞です。娘に音読させながら、毎日一章づつ読み進めさせました。１１才では、少々言葉が古くて、難しかったようですが、清が、越後の笹飴が食べたいといったり、松山を「箱根の先ですか？手前ですか？」と聞く場面では、ウケていました。どちらかというと、老眼がすすんで字が読みづらくなった私のほうが、子供の時読んだ以来の再読に、夢中になった感じです。初期の漱石は、特にわたし好みのユーモアが、ふんだんに盛り込まれ、大好きな作家のひとり。今あらためて読み直すと、その文章の歯切れのいい、リズムの良さには舌を巻きます。人物像も、明確に描かれているし。現代の日本社会にも渦巻く不条理に、真正面からぶつかっていく坊っちゃんの不器用で損な生き方には、時代を問わない共感がありますし（私もどっちかというと女坊っちゃんタイプ。。。苦労の多い人生です）。落語や漫才にも通じる笑いにあふれ、江戸っ子口調のテンポが最後まで失速せずに続くのも、さすがです。やっぱり、超面白いですね。。。本当に最近、小さな字を読むのがつらい（kindleとか電子画面も目にはつらい）。なので、欲をいえば、全書籍これくらいの文字の大きさにしてほしい。又吉の＜火花＞とかも（笑）。学校の読み聞かせで（読み聞かせにも、字が大きいので老眼にはラク）、小６になってから、最初の数頁を読みましたが、トイレに財布を落とした所などでは、ふきだして笑ってくれる男の子もいました。ルビもふってあり、斎藤先生による言葉の注釈も書いてあるので、お子さんによっては、小学生高学年でも、十分に楽しめると思います。大人は大人で読みやすく、昔のように再度夢中になれますよ。