脳性麻痺の類型別運動発達

Motor Development in the Different Types of Cerebral Palsy (Clinics in Development Medicine)上記の翻訳書は、大阪の紀伊克昌先生たちチームでなされ、信頼できるものとなった。Habilitation の英語すら今でも一般的ではないが、高木の "療育" の訳語は、はるか以前に日本語として定着した。小児に携わる人たちは母や家族始め皆、非常に熱心である。脳性麻痺の分類は古い時代のもので新たな時代の病因を反映してはいないが、古典的な分類と言える。Berti Bobat 始めロンドンのチームがこの書を書いていた時、学齢期など問題の出る時期から時代を遡って記述した。それを初期から記述し直したものがこれであるので、その点を良く心得て読む必要がある。小児に携わるすべての人の古典的名著を、語学達者な今川忠男先生も加わって、適切な訳語を選択している。以下のような、人間的なふれあいの理論的背景となった古典的 Bobath 書。Bobath や隻眼(せきがん)の PT 紀伊先生等がいかに先駆者であり、日本の草創期に苦労してこられたかがよく分かる。先生等の英語発音を揶揄するあざけり、さげすみも耳にしてきた。日本のリハの健康保険診療の骨格を作って来られたのも紀伊先生等である。当初から、「 聖母整肢園型 診療報酬」が認められて、別格扱い、それが「複雑」へと汎用化した。1981年、環の卒業時に岸和田市立いながわ訓練所(当時)に山中さんと二人産休代理で４ヶ月出向したが、OT 瀬戸先生は、聖母整肢園で手作りの椅子や木製おもちゃづくりなどに最も長けておられたのを、岸和田市民病院の大橋 Dr. が引き抜かれた。氏は、ランチョ ロス アミーゴ Hp. の研修もされた方、いながわの顧問医。その産休は、娘さん(聖母整肢園経験者)大橋 PT、もう一人の出産のため。ご主人が清瀬の先輩、現森之宮病院 西山(現大橋)先生。岸和田市には、すでに MR 発達障害のための「パピー スクール」もあった。大阪の各市町村の療育体制の充実ぶりは、本家ロンドン以上に発達を見せていて、センターの Christine Barbara も驚いていたが、Karel Bobath の手紙にも別の Bobath Center と書いている。Municipal Habilitation Centers と言う所。紀伊先生が、母親達に知恵を授けて、ゲリラ戦法で、市に要求するように提案されたと、直接聞いている。聖母整肢園からの西山(現 大橋)先生は、70年代学園紛争時の清瀬リハ自治会委員長。カリキュラムの改善など求めて、旗を掲げて清瀬から厚生省へ行進した時のリーダー。ドイツで研修されているし、聖母で、Voita も実践。勉強家、古澤先生は人間的にも療法でも優れた方だが、学園紛争のとばっちりか卒業が遅れてみえる。1981年、吹田療育園におられ、Voita も経験されているのを環 卒前に見学に行った。高次脳機能障害研究の柏木先生やその他多くの批判的に物事を捉えられる清瀬卒含む方々が、1982年、Bobath 記念病院創設時に集まった。小田部先生は、Carr, Shepherd の著書を環に見せて下さった。Paul D Andrew 氏は臨床、研究両者をと希望して参加された。貴重な昼休みに、英会話教室も持って下さった。故 旧友の白川満朗君とさそって３人で飲んだ時、すべて英語で氏も殊の外羽目を外したが、終わって走って帰られる Sprinter ぶりは名前の通り Paul D. Andrew だった ( ^ o ^ )参考:Motor Development in the Different Types of Cerebral Palsy (Clinics in Development Medicine)Physiotherapy in Paediatrics小児科の理学療法片麻痺の評価と治療Adult Hemiplegia Evaluation and Treatment: Evaluation and Treatment, 3eA Neurophysiological Basis for the Treatment of Cerebral Palsy (Clinics in Developmental Medicine (Mac Keith Press))Neurological Rehabilitation: Optimizing motor performance, 2e